Fanfic.】ナナとゆかりの悩み相談室 – だから大好き(~o~)　ヒゲクマ先生

※これは1995年当時のネタです。

こんにちはフラワードリームナナです（以下ナ）。ゆかりさん、よろしくお願いします。

黒沢ゆかりです（以下ゆ）。なんで、あんたが先なのよ？　だいたい、あんたと組んで他人の悩みなんか、解決できそうにないわ。

ナ	最初のお便りです。えーっと……オカルトだめ（泣）ゆかりさん、タッチ。
ゆ	なに言ってんのよ、のほほん娘。えー、天国二丁目の神サキさん？　今度から郵便番号と都道府県名を書いてよね。
	「コミックスが絶版になって久しかったのですが、この度、文庫本で復活しました。でも生賴さんの表紙は良いんだけど、とても怖い顔なんです。生みの親は気に入っているそうで、文句も言えません。どうしたらいいでしょうか」
	ですって。ここに現物があるけど、本当、怖いわね。特に1巻なんか、どこのケバいキャバ嬢よ？なカンジでー。でも、これもう店頭に並んでいるんでしょ？　あきらめなさいよ。はい、次ナナ読んで。
ナ	ゆ…ゆかりさん（汗）えっと、気を取り直して…。次は、匿名匿住所希望の男性から。
	「娘がティアラドームで結婚します」
	まあ！　おめでとうございます。一般参加の方は、かなりの倍率だったと聞きますが当選されたんですね。
ゆ	私たちと一緒に結婚式を挙げられるなんてラッキー！
ナ	「相手は私の後輩ですが、この後輩、私といくつも歳が違わない中年男性なんです。最初は仕事のための偽装結婚という話でしたが、娘は本気で『モノにしてみせる』と言っています。後輩も口ではブツブツ言っていますが、満更でもない様子です。後輩の人柄には不満はありません。娘が赤ん坊の頃、仕事と称してよく子守をさせました。もちろんミルクやおむつ替えもです。後輩は嫌な顔ひとつせずに頼まれてくれました。仕事における能力も高く評価しています。とても信頼おける男です。しかし、花嫁の父としては複雑です。後輩との近すぎる歳の差が気になって」
ゆ	まあねぇ。自分と歳が変わらない、顔なじみの『義理の息子』っていうのもねぇ。
ナ	月並みだけど、愛があれば歳の差なんて、と言いますから、お二人が幸せならそれで良いじゃないですか？
ゆ	ものの見方よね。後輩じゃなくて先輩とか、自分より年上じゃなかっただけマシと思えば、世の中ハッピー！　それじゃ次、行くわよ。次のお悩みは東京の男子高生田添一也くん。
	「彼女に逃げられた」
	ぷっ（笑）それはご愁傷様。
ナ	ゆかりさん、笑っちゃかわいそうよ。
ゆ	「彼女とは相思相愛で一緒に戦うと約束したのに、自然もそれを認めてくれたのに、彼女は意固地になって一人で行ってしまった。全国の皆さん。砂姫明日香というチンクシャ家政婦を見かけたら、東京の田添建設まで電話を頼む」
ゆ	ちょっと待ってよ、ここは悩み相談室で、たずね人はやってないわよ！
ナ	良いじゃないの。一也君の明日香さんを想う気持ちがヒシヒシ伝わってくるわ。早く明日香さんが見つかるといいですね。さて、次の人は……ん？　東京の、ペンネーム三日月傷の男……さん、から。
	「ナナちゃん元気ですか？　その節はどうも」
	あっ、どーも。こちらこそ、お世話になりました。
ゆ	知ってる人？
ナ	えっ、いや、そのー……。
ナ	「あの時の報酬は…」
ゆ	逃げたな。怪しぃーっ。
ナ	「あの時の報酬は、一緒に住んでいる12歳の少女の手術代ということを生みの親がバラしたため、一部の人間に『ロリロリ』と言われ憤慨しているんだよ。違うよ、俺はサキと江梨子、一筋なのに」
ゆ	え？　なに？　本命が二人もいるの？
ナ	ム…いえ、三日月傷の男さん。人の噂も七十五日ですから、気にしないで。そうそう、スガちゃんにあなたのこと話したら、すごく懐かしがってましたよ。
ゆ	あー、やっぱり知り合いね！　誰なの？　どういう関係なの？
ナ	ははは……では最後のお便り。
ゆ	ますますアヤシイ！
ナ	最後は、京都の新撰組御一同様からです。
ゆ	役者ね、あんた。
ナ	「近ごろ、某少年誌の時代劇マンガが大人気だと言われるが……」
ナ	時代劇マンガ、なんだろ？　ゆかりさん、知ってる？
ゆ	あたし『花とゆめ』専門。
ナ	あたしもなの、気が合うわね。
ゆ	早く読みなさいよ。
ナ	「そのマンガの主人公とは直接剣を交えなかったものの、我々にとっては敵方で、その敵方が若い町人や女子供にまで持てはやされるのが大変腹立たしく、ここらで一気に巻き返したいのだが如何せん、生みの親は描いてくれる気配がないので、いささかならず困っている次第で候」
ナ	んー……。これは私たちでは答えられない問題よねぇ。
ゆ	神のみそ汁っていうやつ……え？　なに？　違う？　なによ…………ああ……、神のみぞ知る、よ。あら、もう時間だわ。
ナ	どんな小さな悩み事でも構いません。あなたからのお便り、お待ちしてます。採用させていただいた方には、私たち二人のサイン入り記念品を差し上げます。
ゆ	やだ、聞いてないわよ、一緒にサインだなんて。
ナ	それでは次の機会まで♥
ゆ	『次』なんてあるの？

＜終わり＞

「ナナとゆかりの悩み相談室」あとがき

初出：合同誌「Red Destiny」

冒頭の断り書きにもありますように、1995年当時のネタで書いてあります。95年秋に出たコピー本に載せた原稿のWEB修正版です。白泉社から「スケバン刑事」文庫版が出た年で、某少年誌の人気漫画は左頬にバッテン傷（十字傷）のある赤髪流浪人が主人公の物語です(^_^;)

イメージとしては、ラジオのお悩み相談番組、またはそれを文字起こしした雑誌記事です。ＦＤナナと黒沢ゆかりの、真面目のようでちょっと笑いのある、ほのぼの会話を楽しんでいただけたら幸いです。