2013年9月27日にフジテレビ系金曜プレステージで放映されたSPドラマ「屍活師 女王の法医学」について。もう放映から2年経ってるからいいよね？（2年ぶり録画見直した） と基本的に原作贔屓の、原作知ってることを前提にネガティブ満載で……（原作厨うぜー、な人は精神衛生に悪いと思います）
キャスト発表があったとき「う…うーん……？」だった。なんというか、まず「役者ありき」で原作がそれに合わせられた感じがした。中の人の当時の実年齢（敬称略）で松下28歳、横山32歳、松重50歳と聞いた。脚本は役者に合わせてキャラ設定も変えたそうだけど（原作者談）ワンコくんの年齢が女王様より上!? エリート村上がおっさん刑事!? ちょーっ！なにしてくれる！の憤慨もので。
設定変更しても、それが活かされなきゃ何にもならないわけで、連ドラ狙ってたのかな？ 所々思わせぶりな台詞が入ってた。視聴率よかったら連ドラになってたかもね。8.2％だったかな、惨敗の数字だったみたいで。その時は「惜しいな」とも思ったけど、今は「やっぱりあの原作レイプで連ドラにならなくてよかった」と思ってる。
ドラマは原作の第2話を忠心に第3話をちょこっと味付けに足して、でもオリキャラ入れて過去犯罪と今犯罪を絡めてややこしくしてある。人物関係も複雑化して無駄に時間稼ぎしてる印象。こういう話を作りたかったならオリジナルでやれば？ 屍活師を使う必要あるの？
女王様、ただの大食い女になってる。過去が原因で味覚障害、どこ行った？ 望む場所に居られる人間なんて少ないとかなんとかの台詞あったけど、今すぐ臨床に帰りたいわけ？
ワンコ、2浪に毎年留年の4年生……4年の裏？ 医師を目指すのは子供の頃からの憧れ、って原作通りの貧乏子沢山な家庭じゃなさそう。どこのお金持ち？
村上、女王様と関係あるの身内としても兄じゃないよな。子供も苦しい。甥あたりか、全く関係なしか。恨み辛みなさそうだから身内は関係ないのかもね。法医学研究室に来た経緯を知ってる風だったので医者と刑事としての何かの繋がりはありそう。
研究室の助手が常に男女二人というのは、いい点かな。女性の方は「かすみちゃん」と女王さまに呼ばれていたので、ここは原作通りの髙嶺霞なのかな。男性は名前呼ばれなかったような。
広島から神奈川、広島のＨ大学から神奈川中央大学と舞台が変更になったのは、まぁ百歩譲るとして、ワンコくんが「映像見えた」と2回も入れるのは、くどいよ。しかも1回目は「何言ってるの」で、2回目（番組ラスト）は「何それ」だの「どうかしてるんじゃ」だの否定っぽくて。で、ご飯かき込むワンコの横顔見てニヤつく。照れを表現したかったの？ わかってないなぁ、脚本家。ここ、大事なトコだよ！ 原作では村上兄としか共有したことなかった現象を新たに共有できる人物に出会ったんだから！ それも半人前の嫌々やってきた医学生だよ？ 驚きと嬉しさが絡み合った、ほんのり笑顔。あれを再現して欲しかったよ！
つらつらと文句ばかり並べたけど、これで原作者の杜野亜希さんが承諾したんだから仕方ないよね。これまで映像化とは無縁の漫画家さんだったから、原作壊されても、きっと強くは言えなかったよね。ドラマ化記念でオリジナルラベルのワインを美内に配ったとか、ご本人は（本心はわからないけど）とても喜んでいいらっしゃったから、それでいいのかも。（原作ファンとしては悔しいものがあるけどさ）
原作漫画は今も好評に、講談社発行の女性向け漫画誌「BE・LOVE」にてシリーズ継続中。2015年9月現在、コミックスは11巻まで発売中。紙書籍だけでなく電子書籍も発売中。詳しくは「屍活師」杜野亜希 BE・LOVEをご覧くださいな。
他にも杜野さんご本人運営の■杜野亜希Official Web Site■、ブログもりの日記、ツイッター 杜野亜希 @morino_aki もどうぞ。